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建設現場の足場が作られるまで – 知られざる職人技と安全への配慮

鳶職人

建設現場の足場が作られるまで – 知られざる職人技と安全への配慮
 
建設現場で見かける足場は、高層建築物や住宅の工事において欠かせない重要な設備です。株式会社大幸建設では、静岡県浜松市を拠点として仮設工事・足場工事・鉄骨建方工事を手がけており、長年にわたって培った技術と安全への取り組みで、東海エリアの建設現場を支えています。今回は、普段目にする機会の少ない足場工事の施工プロセスと、職人たちが日々実践している安全対策について詳しくご紹介します。
 
足場工事の基本的な流れと工程
 
足場工事は、単純に部材を組み立てるだけではなく、綿密な計画と高度な技術が必要な専門工事です。現場の状況や建物の構造に応じて、最適な工法を選択し、安全性と作業効率を両立させることが求められます。
 
🔍 現地調査と施工計画の立案
 
足場工事の第一歩は、現地調査から始まります。建物の高さ、形状、周辺環境、地盤の状況などを詳細に調査し、最適な足場の種類と配置を決定します。この段階での正確な調査が、後の施工品質と安全性を大きく左右します。

建物調査項目

構造確認:鉄筋コンクリート造、鉄骨造、木造など建物の構造種別

高さ測定:作業に必要な足場の高さと段数の算出

形状把握:複雑な形状部分や突起物の確認

周辺環境調査

敷地境界:隣接建物との距離と制約条件

道路関係:車両通行への影響と道路占用許可の要否

電線確認:架空線との離隔距離と安全措置

「参照:厚生労働省 建設業における安全対策」
 
⚙️ 足場の種類選定と設計
 
現地調査の結果を踏まえ、最適な足場の種類を選定します。一般的な枠組足場から特殊な形状に対応する単管足場まで、建物の特性と工事内容に応じて適切な工法を選択することが重要です。

足場の主要工法
枠組足場:最も一般的な工法で、建枠と筋交いを組み合わせた安定性の高い足場です。住宅からビルまで幅広く使用されています。

単管足場:単管パイプとクランプを使用する柔軟性の高い工法で、複雑な形状の建物や狭小地での施工に適しています。

くさび緊結式足場:くさび(ウェッジ)による緊結システムで、組立効率と安全性を両立した最新の工法です。

 

 
🔧 部材の準備と搬入
 
施工計画に基づき、必要な足場部材の種類と数量を算出し、現場へ搬入します。部材の品質管理と適切な保管が、施工品質に直結する重要な工程です。

主要部材

建枠:足場の基本となる枠状の部材

筋交い:足場の安定性を確保する斜材

作業床:作業員が安全に作業するための床材

手すり:墜落防止のための安全設備

安全部材

メッシュシート:飛散防止と防犯対策

昇降設備:安全な昇降のための階段や梯子

養生材:建物や周辺への保護材

「参照:BuildApp News 本足場の義務化」
 
組立作業における職人技と技術
 
足場の組立作業は、経験豊富な職人の技術と判断力が重要な役割を果たします。部材一つひとつの組み方から全体のバランスまで、高度な技術と安全意識が求められる専門的な工事です。
 
👥 作業チームの編成と役割分担
 
足場組立は、資格を持った作業主任者を中心とした専門チームが行います。チームメンバーそれぞれが明確な役割を持ち、連携して安全かつ効率的な作業を進めます。

作業主任者

統括責任:作業全体の指揮と安全管理

技術判断:施工方法の決定と品質確保

労働者配置:適材適所の人員配置

熟練職人

組立作業:正確で迅速な部材組立

品質管理:施工精度の確保

指導役:経験の少ない作業員への技術指導

「参照:労働技能講習協会 足場作業主任者」
 
🏗️ 手すり先行工法による安全確保
 
現在の足場工事では、「手すり先行工法」が標準的な施工方法として採用されています。これは、作業床を設置する前に手すりを先に設置することで、墜落リスクを大幅に軽減する安全工法です。

手すり先行工法の特徴
従来の工法では作業床設置後に手すりを取り付けていましたが、手すり先行工法では先に手すりを設置することで、作業床設置時の安全性を大幅に向上させています。この工法により、足場からの墜落災害を効果的に防止することができます。作業効率も向上し、現在では多くの建設現場で標準的に採用されています。

 
📏 精密な寸法管理と水平・垂直の確保
 
足場の組立では、ミリ単位での寸法管理が求められます。特に水平性と垂直性の確保は、足場全体の安定性と作業の安全性に直結する重要な要素です。

測定技術

水準器使用:各段の水平性を精密に確認

下げ振り:足場全体の垂直性を測定

寸法確認:設計図面との照合チェック

調整技術

ベース調整:地盤の不陸に対応した基礎調整

緊結確認:各接合部の締付け状況確認

変形防止:荷重による変形の予防措置

「参照:日工セック 足場安全衛生法」
 
安全管理システムと法的要件
 
足場工事における安全管理は、労働安全衛生法をはじめとする各種法令に基づいて厳格に実施されています。静岡県や愛知県をはじめとする東海エリアでも、これらの基準に従った安全対策が徹底されています。
 
📋 法的要件と資格制度
 
足場工事には、労働安全衛生法に基づく厳格な資格制度と安全基準が設けられています。作業の安全性を確保するため、有資格者による適切な施工が法的に義務付けられています。

資格区分 対象作業 法的根拠
足場の組立て等作業主任者 高さ5m以上の足場組立・解体 労働安全衛生法第14条
足場の組立て等特別教育 足場組立・解体・変更作業 労働安全衛生法第59条
玉掛け技能講習 クレーン使用時の荷掛け作業 労働安全衛生法第61条

「参照:建災防岡山 作業主任者技能講習」
 
🔍 定期点検と安全確認
 
足場設置後は、法令に基づく定期的な点検が義務付けられています。点検項目は多岐にわたり、専門的な知識を持った有資格者が実施することが求められています。

点検実施基準
組立・一部解体・変更時点検、作業開始前点検、強風・地震後点検の実施が義務付けられています。点検者の指名と記録保存も法的要件として定められており、点検結果に基づく適切な処置が安全確保の鍵となります。特に台風の多い静岡県や愛知県では、気象条件への対応が重要な要素となっています。

 

地域特性を考慮した施工技術
 
静岡県浜松市をはじめとする東海エリアでは、地域特有の気候条件や地理的特徴を考慮した足場工事が求められます。海岸部の塩害対策から山間部の強風対策まで、地域密着の技術が重要な役割を果たしています。
 
🌊 海岸部での塩害対策
 
静岡県の沿岸地域や愛知県の海岸部では、海からの塩分による部材の腐食が課題となります。これらの地域では、特別な防錆処理を施した部材の使用や、定期的なメンテナンスが重要です。

塩害対策技術
亜鉛メッキ処理を施した足場部材の使用により、塩分による腐食を長期間防止します。また、組立後の定期的な清拭作業と防錆剤の塗布により、部材の延命を図っています。特に浜松市の沿岸工業地帯では、これらの対策が標準仕様として採用されています。

 
💨 強風地域での安全対策
 
東海エリアは台風の通過路にあたり、特に秋季には強風への対策が重要となります。風荷重を考慮した設計と、緊急時の対応体制が安全確保の鍵となります。

構造強化

控え設置:建物との緊結強度向上

筋交い増設:水平剛性の向上

基礎強化:転倒防止措置の実施

監視体制

気象監視:リアルタイム風速測定

作業中止:風速基準による作業制限

緊急対応:24時間体制の監視

「参照:CIC日本建設情報センター 足場安全対策」
 
まとめ
 
建設現場の足場工事は、単純な組立作業ではなく、高度な技術と豊富な経験、そして厳格な安全管理が求められる専門工事です。株式会社大幸建設では、これらall の要素を総合的に管理し、静岡県浜松市を中心とした東海エリアで、安全で高品質な足場工事を提供しています。
現地調査から始まる綿密な計画立案、有資格者による専門的な施工技術、法令に基づく厳格な安全管理、そして地域特性を考慮した技術対応まで、足場工事には多くの専門知識と経験が必要です。特に手すり先行工法の採用や最新の安全技術の導入により、従来以上に安全性の高い施工が実現されています。
静岡県や愛知県などの東海エリアでは、海岸部の塩害対策や台風などの強風対策といった地域特有の課題への対応も重要な要素となっており、地域密着の技術とノウハウが安全で確実な施工を支えています。
私たち大幸建設は、これからも最新の技術と長年培った経験を活かし、お客様に安心していただける足場工事を提供してまいります。建設現場の安全と品質確保のため、日々技術向上と安全意識の徹底に努めています。
 

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